2010年03月11日

「スウェーデンの持続可能なまちづくり」を読んで

スウェーデンの持続可能なまちづくりーナチュラル・ステップが導くコミュニティ改革 (単行本)



サステイナブルな地域社会をつくる鍵はスウェーデンにあった!
スウェーデンの地方自治体がナチュラル・ステップのフレームワークを使って
「持続可能なまちづくり」に取り組んだ過程およびその成功事例を紹介。

ジェームズ,サラ
米国、ニューヨーク州生まれ。ハーバードデザイン大学院都市計画専攻修士課程修了。
都市計画やまちづくり、持続可能な発展の分野で20年以上自治体と協働。
地域計画のプランナー・コンサルタントであり、まちづくりに取り組む非営利団体の創設者でもある。
1986年より、プランニングやまちづくりにおける市民参加の促進に関するコンサルティングを実施している

ラーティ,トルビョーン
スウェーデン、ウメオ生まれの都市計画家・エコノミスト。ウメオ大学プランニング専攻修士課程修了。
同大学経済学の博士課程修了。
1980年代、オーバートーネオでプランナーとして活躍、同コミューンがスウェーデン最初のエココミューン
となるのをサポートする。以降、スウェーデンの160以上のコミューンで持続可能性教育やワークショップを行い、
エココミューンの誕生を支援してきた。エコロジーに取り組むコンサルティング会社Esam社の共同設立者でもある

高見 幸子
1974年よりスウェーデン在住。1995年から、スウェーデンへの環境視察のコーディネートや執筆活動等を通じて
スウェーデンの環境保護などを日本に紹介。
1999年から、国際環境NGOナチュラル・ステップの日本事務所の設立に関わり、現在、ナチュラル・ステップジャパン代表。
企業・自治体の環境教育や環境対策の支援活動中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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解説を琉球大学の伊波先生が書いてます。

伊波先生は、「ナチュラル・ステップとスウェーデンの持続可能な観光」で論文を発表しています。

http://ir.lib.u-ryukyu.ac.jp/handle/123456789/490

論文を引用させていただきます。

(1)システム条件1:

生物圏の中で地殻から掘り出した物質の濃度が増え続けてはいけない。

地殻から取り出した物質とは、石油・石炭・天然ガスなどの化石燃料、鉛・水銀、
カド ミウムといった重金属類である。
化石燃料は動物や植物の死骸、つまり地球上の炭素が地 殻に埋められたものであり、
重金属類は水より比重が重いため地殻に沈んだ。
地球はその誕生以来、長い時間をかけて地表の金属類や大気中の炭酸ガスが地殻に
貯蔵されることで、 生物が生きられる環境が整えられてきたというわけである。
資源と呼んでいるのは、かつ ては生命にとって有害物だったものであり、生物圏
に地球の浄化能力を超えるスピードで 資源を放出していることが環境問題発生要因
のひとつである。

(2)システム条件2:

生物圏の中で、人工的に製造した物質の濃度を増やし続けてはならない。

DDTやフロンは製造禁止になったが、窒素酸化物、硫黄酸化物、臭素系難燃剤等の化 学物質
が生物圏に増え続けている。
このような化学物質が生体内に蓄積されることによっ て、オスのメス化現象など、自然界に
異変が起きているといわれる。
例えばフロンは、安価で毒性もないので広く使われていた。
しかしながら、自然界に放出されたフロンは数十 年後に有害な宇宙線や紫外線から生命を保
護しているオゾン層を破壊することがわかった。
また猛毒物質のダイオキシンは意図的に作らなくても、大気中の様々な化学物質が合成さ れ
てできるといわれる。
水俣病の原因となった水銀は、もともと生体内にはなかったものであるが、今ではまぐ ろや
人間の髪の毛等からも検出されている。これらの物質のほとんどは胎盤をすり抜けて 胎児に
蓄積される。
胎児`性水俣病というのは、生まれたときから水俣病、つまり水銀に身体が侵されているとい
うことである。

物質は消えることはない、というのが「エネルギー・ 物質保存の法則」である。

廃棄したはずの化学物質や重金属は世代を超えて人間を含む生 体内にも蓄積されるのである。

(3)システム条件3:

資源の循環と多様性を支える物理的基盤を破壊し続けない。

「自然が物理的な方法で劣化しない。具体的には無秩序な森林の伐採、肥沃な土地の上 に建設
される道路や建物、海や湖沼での乱獲などを行わない。」
沖縄では、干潟は「海の畑」と言われ、1950年代まで人々は魚や貝などの動物性食品や 海草な
どの食料を海から得ていた。
また、宝貝や夜光貝などの美しい貝は加工されて貝ボ タンや伝統工芸品の漆器を彩る螺釦細工
の原料となった。
海からたくさんの恵みをもらっていたわけである。
しかし、海浜の埋め立てにより沖縄本島では多くの干潟が失われた。 多くの場合、土地が足り
ないというより公共事業による収入がほしいというのが理由であるが、自然を食い潰す形で収
入を得るという経済行為を続けていくことはできない。
海の ゆりかごともいわれる干潟を失うことにより生物資源が減少し、津波などの自然災害から
低地を守る自然の防波堤を失い、景観美も損ねるというマイナス面だけが残ることになる。

(4)システム条件4:

人々が自らの基本的ニーズを満たそうとする行為を妨げる状況を作り出してはならない。

システム条件1,2,3は自然に関わるものであるが、4つ目のシステム条件は社会的 な公正、
経済活動に関わるものであり、国内外を問わず賃金・労働環境・安全衛生・福祉・ 若年労働者・
人権・公平などについて十分配慮されていることが必要である。
化石由来のエネルギーに過度に依存した自家用車、家電品等、先進国のライフスタイル を支える
原材料の大部分は発展途上国で産出されている。
これらの国々における内紛・内 戦、およびその結果としての貧困は、私たち先進国のライフスタ
イルと無関係ではない。
先進国と言われる国では、昔ほどの貧富の差はないが、国|漂的に見ると豊かな国といわれ る欧米
や日本と、世界最貧国といわれるパキスタンやアフリカの国々の状況には大きな差 がある。
また、今の世代がぜいたくすれば、そのツケは将来世代が払うことになる。世代 間の公平な資源
の利用を図るために、効率的で公平な資源の分配が行われるよう技術革新 と貿易の不公平を是正
していくこと。これが第4のシステム条件である。

引用はここまで-----

沖縄の将来を考えた場合に、大切なコンセプトだと確信しました。

アメリカ型の消費スタイルから、ヨーロッパ型の環境重視の社会へ変わる時代になってきていると思います。

「経済の発展」も大事ですが、「経済の発展によって得られる幸福の価値観」こそが問われていると思います。

行き過ぎた工業化社会の歪みは、人の心を蝕み始めています。

沖縄の幸せは、みんなで支え合い、助け合ってきた幸せであったはずです。

それが崩れようとしている今、「沖縄に住む幸せ」を再度考える時期に来ていると思います。

沖縄の経済界から出てくる「沖縄のビジョン」は「どうすれば経済が発展するか」に力点がおかれており、

沖縄に住む私たちが「どうすれば健康で幸せに長生きできるか」が描かれてない気がします。

持続可能な沖縄の社会作りこそが、沖縄に住む大人のミッションではないでしょうか。

伊波先生の基本的な考え方を学んでいきたいと思ってます。

今度、大学でお会いできるようになりました。

インタビューを試みたいと思ってます。

お話をお聞きできましら、また記事にしたいと思います。



Posted by だいこんの花広報マン at 07:02│Comments(0)TrackBack(0)沖縄の有機農業

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